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ASTERISM LIVE2026 -Kick Down the WWWall-
ライブレポート公開!

5月31日(日)に行ったワンマンライブ ASTERISM LIVE2026 -Kick Down the WWWall-

SOLD OUTし、ASTERISMの新たな景色を示した本公演の、ライブレポートとライブ写真を公開します!

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ASTERISM LIVE2026 -Kick Down the WWWall-
ライブレポート公開!
ASTERISM LIVE2026 -Kick Down the WWWall-
ライブレポート公開!

最高潮に達する瞬間を目撃し、その喜びを共有できること。その素晴らしさを実感させられた一夜だった。5月31日、渋谷・WWWで開催されたASTERISMの東京公演『Kick Down the WWWall』の話である。公演タイトルからも去る1月14日に発売された最新オリジナル・アルバム「Kick Down the Wall」の世界観と直結したものであることがあらかじめ明白だったこのライヴにおいて、この超絶トリオは最高到達点に達したと言っていいだろう。もちろん彼らが経てきたこれまでのすべてを見届けてきたわけではないし、軽率にこのような言い方をするべきではないのはわかっている。ただ、それでもこの3人が「これまでの歩みの先にある、これまでとは違った領域」に歩みを進めていることは、疑う余地もなかった。

開演定刻の17時を5分ほど過ぎた頃に会場内は暗転し、メンバーたちがステージ上の配置に就くと、まず炸裂したのは“Blink of Ray”だった。「Kick Down the Wall」の1曲目に収められていたこの激烈で目まぐるしい楽曲は「ライヴで一気に盛り上がる曲」を目指しながら作られたもので、実際、途轍もない即効性と破壊力を併せ持っている。しかもスタジオでのジャム・セッションから生まれているという経緯からもうかがえるように、3人が今現在のバンドとしての身の丈を体感しながら構築されたものでもある。言い換えれば、彼ら自身が過去の自分たちに何が足りなかったのかを理解し、それを超えたうえで現時点でのリアルな等身大を踏まえた状態にあるからこそ誕生し得た楽曲なのだ。だからこそこの曲は彼らにとって新たな可能性の扉を開くことになり、当初の目論見どおり、超満員となったフロアの空気を一気に沸点まで上昇させることになった。

メンバーたちは全員黒一色で統一された衣装に身を包み、ステージの背景には濃い霧のたちこめた深い森の風景が映し出されていた。まさしく「Kick Down the Wall」のアートワークそのままのヴィジュアルが打ち出されていたわけだが、“Blink of Ray”は文字どおり瞬く間にその霧を吹き払っていた。「おい渋谷、もっと行こうぜ!」とオーディエンスを扇動するMIYUの目つきが、いつにもまして挑発的だ。彼のベースのうねりに導かれながら炸裂したのは最新アルバムの2曲目に配置されていた“BLACK CLOUDS”だった。そして、暗雲が立ち込める中での自己探求の先に希望を見出すかのようなこの曲に続いたのは、希望的なメロディが印象的なインストゥルメンタル曲、“KAKUTO”だった。

ここまでの流れからも想像できるように、この夜のライヴは「Kick Down the Wall」の全曲がアルバム収録順どおりに披露される形で完遂された。公演タイトルからも同作の完全再現ライヴになることは充分に予測できていたが、実際にそれが繰り広げられていくさまを目の当たりにしながら痛感させられたのは、実験性と冒険心に満ちたこの作品を、すでに彼らが完全消化した状態にあるということだった。同時に、このアルバムの構成自体がいかに考え抜かれたものであるかを思い知らされもした。多様性と起伏に富んでいながら、その流れが筆者にはごく自然なもの、あくまで快感原則に忠実なものであるように感じられたのだ。さまざまな形状をした全11曲のパズルのピースが隙間なく完璧な状態で噛み合っているのだから、当然のように気持ちがいい。この夜のオーディエンスはすでにこのアルバムを味わい尽くしてきている人たちばかりだったものと思われるが、次々とテンポ良く曲が繰り出されていくたびに、頭の中で何かがカチッと嵌まっていくような快感をおぼえていたのではないだろうか。少なくとも僕自身はそう感じていたし、このアルバムがASTERISMの進化の過程においていかに画期的なものだったかを改めて実感させられることになった。

演奏面での巧みさ、奇跡レベルな呼吸の合い方についてはいまさら言うまでもない。それに加えて感じさせられたのは、各楽器の音の良さと、ヴォーカル面の向上だ。当然ながらサウンドについてはバンドの努力の賜物であると同時に、彼らの意向とスタッフワークが温度差なく噛み合っているからでもあるはずだ。どんなに演奏が超絶であろうと音が貧弱であれば説得力に欠けてしまうが、今の彼らが発する音にはそうした不安要素がない。しかも、ここにきてHAL-CAの歌唱に飛躍的な伸びが感じられた。これまでさまざまなトライを重ねてきたことが、ここで実を結び始めているのだろう。それはときおり獰猛なグロウルを聴かせるMIYUについても同じことで、彼自身が自分の発するべき声を見つけたのではないかと感じられた。そうした2人を背後から見守るMIOのドラムの存在がとても頼もしく感じられたことも間違いない。

現在のASTERISMとしての歌モノのあり方が提示された好例というべき“You don’t know anything about me”、アコースティック・ギターをフィーチュアしながら楽器同士がまぐわいあう“SEX JAZZ”の官能的な響き、浮遊感を伴う“儚”と攻撃的な“stress”のコントラストも印象的だったが、それに続いた音楽的情報量の多い長尺曲“METAL SUPREME”はまさに圧巻だった。この曲がインストゥルメンタルではなく、決意表明的な歌詞が伴ったものとして打ち出されていること自体も、現在のASTERISMを象徴している。

終盤、インスト曲の“ETERNAL”を演奏後、MIOがアルバムのテーマでもある「壁を超えること」について語りながら言葉に詰まる場面があったが、そこで感じられたのもむしろ「嘘の無さ」だった。あの流れの中で彼が饒舌に感動的なことを語り切ったならば、それは用意されたセリフのように感じられたのではないだろうか。途切れ途切れになりながらも発される言葉のひとつひとつから、彼らがこれまでに抱いてきた葛藤の大きさ、そして今現在の充足感とモチヴェーションの向上ぶりが伝わってきたように思う。そして、言葉ではそれを説明しきれないからこそ、彼らはこんなにも突出した演奏力を身に付けることになったのではないかと感じさせられた。

去る1月から2月にかけて実施された全4公演の『ASTERISM Live Tour 2026“Untitled”』の際には、現在のASTERISMが原点にあたる場所の真上の位置に到達していることを証明していた彼らだが、今回の一夜限りのライヴで実証されていたのは、3人がすでに新たなストーリーを綴り始めつつあるということだった。公演終了後、メンバーたちは各々のXアカウントから「最高のワンマンだったよ。本当にありがとう!」(MIYU)、「今日のような日のために音楽やってます!! 確かに進んでると確信した」(MIO)、「ここからまた新しい物語が始まる! ついてこいよ」(HAL-CA)といった力強いメッセージを発していた。この局面において「壁を蹴り倒す」という命題を有言実行してみせた彼らが、次にどんな物語を披露してくれることになるのかが、楽しみでならない。

「Kick Down the Wall」の完全再現を経てのアンコールの際、2018年発表の1stアルバム「IGNITION」からのセレクトである“BLAZE”と“Light in the Darkness”で原点更新を印象づけたうえで最後の最後に披露されたのは、人を巻き込む力の強さに富んだ新曲“What’s My Life?”だった。この曲が次なるエピソードを象徴するものになるのだろうか? 公演の翌日にあたる6月1日、MIOがXを通じて発していたメッセージには「すでに歌うべき新しいメロディは提示された」との言葉が含まれていた。初めて披露されたその日のうちに合唱を巻き起こしていたこの曲の余韻が、筆者の脳内では今も響き続けている。

増田勇一

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